・やっと観光らしいことができる日ではある。予習をしている。
・宿所を出て、しばらく歩く。どこぞに朝食をとれるいいパン屋はないか、とふらふら歩いている、もうこの頃にはすっかり、朝は街角のパン屋でいただくのがベストだよね、という気持ちになっている。見つけたパン屋でいただいたのは、バゲットにトマトソース、生ハムとチーズを乗っけてトーストした感じのなんだけど、あっためててもらってパクついて見ると、チーズが熱々で美味しい、生ハムもさすがに美味しい、だけど生ハムの量が尋常でなく多い。パンとのバランスがあきらかに(自分的には)おかしいw。それでも、平面に均等に敷いてくれてる部分ではまだいいんだけど、なんかごろっとした固まりか束に近いのが傍らにでんっと乗っかってたりして、そんな調子だからトーストしてもらってても、生ぬるい、もしくは冷たい。え、これ、熱処理的に大丈夫な状態か?という不安がなくはない。けど、美味い。けど、多くてバランスが悪くてしょっぱい。仕方ないので、ハムの固まりを紙袋の中に落としながら、バランスをとりとり食べている。でも、美味さ爆発。
・パン屋のショーケースを見ていると、名前そこそこわかるというか、聞いたことのあるパンの名前ばかりだなあ、と思う。
料理名のわからなさとちがって。パンの名前がわかるのは、近所のいつもお世話になっているパン屋のおかげである。

・パリはほんとうに、カフェとレストランとパン屋が山のようにある。そればっかり。たぶん、
パリからカフェとレストランとパン屋を取ったら、カフェとレストランとパン屋以外のものしか残らないと思う。
・しょっぱさで口の中がひりひりする中を、朝のアポ前の観光に向かう。


・ノートルダム大聖堂。天下のノートルダム。パリと言えば、というかフランスと言えば、いやさヨーロッパの教会建築と言えばここでしょう、というようなノートルダム大聖堂にやってきてみた。てか、やっと来れた、パリ3回目にして><。ノートルダムはゴシック様式だと言われていて、それは高校の世界史の頃からそうたたき込まれていたんだけど、えーでも、あんな四角ばった見た目なのに
ゴシックなの?ロマネスクじゃないの?という疑念をずっと持ってたんだけど、実際に門前に立って眺めてみたら、あ、確かに装飾はゴシックだねえ、と。それで中に入って見上げてみたら、ああ、これはあきらかにゴシックだねえ、藤村くん、と。納得しました。ちなみに、あたしはもう西洋の教会建築の鑑賞については人生の定量をだいぶ前に越えてしまったらしく、昨今はぼんやり眺めて雰囲気を味わって帰るだけで終わってしまってます、残念ですね。
・そして、
元・クイズ研出身という立場の我が輩としては、パリに来たらどうしても一度は拝んでおかねばならんというものがある。


・拝んだ。
・天気が悪く寒いとは言え、それにしたってひどく寂しい。場所も寂しいし、暗い。だから、「自由の女神」というものが天性として持っているといままでずっと誤解していた、あらゆるポジティブな感情、根拠なく満ち溢れる希望、尽きることのない高揚感、そういったものが一切この女神からは発信されていなかったし、受信もしなかった。なのに、だからといって決してがっかりするというわけではなくって、得も言われぬ安心感のようなものを、この暗い空の下、肌寒い風の中、どんよりとしたセーヌ川にぽつねんとたち尽くす女神の人から、確かに感じることができた。そう言った意味では、
女神の素顔に出会えたのかも知れんな、と自分を納得させながら暖をとるためにいそいそとカフェへ向かった。
・「
エッフェル塔三十六景」、という言葉が頭に浮かぶ。


・河畔で、女神を眺めながら、エスプレッソをいただいている。
・地下鉄で移動。トロカデロ駅で降りると、お子たちがうろうろしてるので、あー、エッフェル塔見に行くんだねえ、と思う。自販機があったのでコーラを買おうとしたのだけど、1.50euのはずのコーラがお金を入れても入れても出てきてくれない。ボタンを押しても押しても何も起こらない。コインを吸われただけ・・・。最終、別の機械まで行って、1本買うのに合計4euくらいかかった。
・今回の最終訪問先、第11図書館、のあるはずの建物前に到着し、ちっちゃなプレートも確かに確認したけども、大通りに面したその扉は鍵がかかっていて開かなくて、その横っちょにもはやだいぶ見慣れた暗証番号用プレートがある。フランス滞在6日目、終盤にさしかかろうとする頃でありながら、なお、訪問先の人とその辺の打ち合わせを事前にしていないという、自分の手抜かりさ加減に驚く。なに、1年のアメリカ生活は、自分をそこまでおおざっぱな人間に変えてしまったの? で、すっと暗証番号入力して入ろうとしてたお兄さんがいたので、扉が開いたタイミングで、「第11Libraryはここ?」「ああ、そうだよ」つって、入れてもらう。
・第11図書館
・ふう・・・
・お世話してくださった旧知のライブラリアンと、近くのカフェにランチを食べに行く。パリはどこも値段高いけど、ここはそんなに高くなくて、そして美味しいんだ、と教えてくださる。そういう地元情報は大事。いただいたのは、サーモンを塩とオリーブオイルで焼いたのに、サラダや米が付け合わせになってるの。塩、油、米、魚!(涙) 油を堪能したあとの、エスプレッソ。

・ランチ中もたくさんのおもしろい話をうかがう。
・情報共有のニーズがある。情報共有を簡単にできるツールがある。なのになぜそれをしない? というのは素朴に問わなければならない疑問。(注、もちろん情報の種類によって温度差が違うけど) 例えば、
日本国内のe-resourceについての図書館員による情報共有サイトって、どこ? 問われて、すぅっとお答えできなかった自分が恥ずかしい・・・。
・お隣に座ったカップル、本日のメニューのボードを見てしばらくあれこれしゃべってたと思ったら、
自分たちの食べたいものが載ってないから、といって席を立って帰ろうとする。それを、ウェイターて言うのギャルソンて言うべきなの?がいやいやお若いの、こっちに定番メニューもあるから、つって紙のメニューを持ってきて、あらそう、と座り直す、という一幕あり。なんか、自分の好みや思いがはっきりしててそれにしたがって自主的に動く、ていう当たり前っちゃ当たり前のことなんだけど、日本だとなんとなくいつのまにかまあしょうがないかっつって流れるよね。どっちが良い悪いとかじゃないんだろうけど。例えば後ろの席のご婦人は、同じサーモンのグリルの皮のところまるごと残し、かつ米にもほとんど手をつけてなかったりして、うん、でもマダム、その皮と米の組み合わせがどんだけ美味いことか日本人的には、とw
・以上、全11館の訪問がほんとに終了。ちょっとしんみりしている。

・ダイアナ妃がなくなった場所が近くにあるって聞いたんだけど本当?というセーヌの川岸からバスに乗る。向かうはルーブルただ一本!敵はルーブルにあり!
・バスはセーヌ川に沿ってぐるっと東へ進む。車窓をぼんやり眺めていると、パリ観光予習を大してまともにやってないからわかんないけども、あれやこれやの王宮的な建築群、荘厳であり、絢爛であり、太陽の光が反射してきらきらしてるし、広場も広ければ空も広い、まさにモノとして圧倒的な存在感だし圧迫感だしで、こういう言い方あんまよくないかもしんないんだけど、
パリっ子の人たちってこういう大建築群に囲まれて生活してたら、なんかこう圧迫されて卑屈な気分になったりしちゃわないんだろうか?と思ってしまった。京都とパリとをよく比較というか仲間視されたりすることもあると思うんだけど、正直、この2つの街って根本的に何かが違うよね?と思う。
・空間装置としてのパリの大建築群、という言葉がなんとなく頭に浮かぶけど、それがどういう意味になるのかはとんとわかっていない。語感だけ。
・そして、ついに、念願の、ああいったい何年間待ったことか、というルーブル美術館に入館。ちなみにここはカバンの有無で第一入口のセキュリティの列がぜんぜんちがうので、あれならカバン無しで行くといいですよ、というtips。それから、めっちゃ並ばされてキップ買うのだけでも1-2時間かかるんだよヒドいよ、というもっぱらの評判(脅され)でしたが、金曜の2時頃という限りではまったくそんなことはなく、5分で買えました。さらに言うと、あたしはぜんぜん気付かなかったんだけど、切符売り場の周辺には何台かのセルフ販売用端末があって、そこには誰もいっさい並んでなかったので、自動販売機大国ニッポンからおいでのみなさまは0分で買えると思います。
・
ニッポンのみなさま、お待たせいたしました!我が輩はただいまパリ観光の桃源郷・ルーブル美術館にいます! (テンションだだ上がり中)














・モナリザがこんなにもちっちゃかったということに驚愕するという事件が起こった。
・子供たち学生たちが引率されたり自由行動だったりで熱心に勉強、スケッチしていた。だいたい
欧米の美術館ではこういうお子たち学生たちの姿を当たり前のように見かける。日本のそこらへんはどうなってんのかは知らない。
・やっぱり中世美術が最強伝説。注、個人的に。
・忘れちゃならない、オランダ絵画も最強伝説。でもなあ、あんまりオランダ絵画ないなあ、ここってなんでフランス絵画がやたら多いんだろう。・・・・・・あっw (←実話)
・日本人、フェルメール好き過ぎだろう事件。
・ルーブルやパリ街並みの歴史を描く記録的絵画、というのをまとめて並べてるのも好き。あ、ルーブルの歴史的経緯を入門的になぞった新書みたいなのないかな、中公新書あたりにありそうな気がするな。
・我が青春の「テュルゴーのパリ地図」を見つけて、そっと涙する。それなりに思い入れ持ってたんだなあ自分。
・いやいやそれにしてもこれは疲れる。疲れる運命にある場所だ。肉体的にも精神的にも頭脳的にも感性的にも全部疲れる・・・。
・ここの地下には中世期の遺構もあって、見て回れる。やっぱ”歴史”ってのはせめて1000年くらいはないと物足りないっすね(暴言w)。
・iPhoneでぱしゃぱしゃ写真を撮っていたのですが、不思議なことがひとつ。iphoneを縦にして撮った写真は、縦長で、パソコンで見るとそれが横に倒れている。それから、iphoneを横にして撮った写真は、横長で、パソコンで見るとそれがその通りに見える。ここまでは分かる。問題は、ルーブルで撮った写真の横向きのものが、ある時点を境にして、天地逆さまの横向き写真になってずらずらずらっと並んでいらっしゃる。なんで? あたし途中からiphoneを右左逆にして撮影してたってこと? おかしくない? ・・・・・・と思ってて、ふと、ルーブル巡り中に肩掛けカバンの袈裟懸けにしてたのが重くて、左右逆に掛け替えたことがあったのを、思い出したよ。もしかしてあのタイミングで、iphoneの写真も逆になったのかしら??
・ルーブルのミュージアムショップは、意外に商売っけないというか、あんま買えるもんが少ないような気がする。・・・そんな中、発見。これってジョジョがどうとかいう人の漫画? 「Rohan au Louvre」?

・ほうほうのていでルーブル脱出に成功。
・先日、外からちらっとは見たものの、ちゃんと見物できなかった某図書館の円形リーディングルームを見たくて、急いで行ってみた、けど、ちょうどタイムアップだったorz。扉の外からのぞき窓を通して眺める。
・某NHKの街歩き番組でつい先日特集が組まれていた、パサージュ、をそぞろ歩きしてみる。番組ではキレイに演出してあったけど、さすが生活の場所なだけあって、通りによっては結構に猥雑であったり、チャイナタウンじゃないかここ、ていうようなとこがあったりもする。あと、番組でスポットの当たってた古本屋さんを熱心に見つめて写真撮影している新婚らしきカップルとか。
・これはもうどこだったか忘れちゃったんだけど、地下鉄駅を降りて出たところで青空市場を発見。そぞろ歩いて、なんとなく甘いものつまみたいなあ、と思ってたところにもう店じまい手前くらいのパン屋があって、おばちゃんに、このプチシューにごろごろした砂糖の堅い固まりがちらばされてるようなやつ(これ名前何?w)を2つください、というと、もうぜんっぜん英語わからない人らしく、でも、手振りや、たまに出してくれる英語の数字から遠回りに類推するwに、5つをいくらで、という単位からしか売らないんだよ、と、小さいから、ということなんだろうなと思い、じゃあ5つくれというと、また困った顔をしてなんか向かいの店にいる人と言い合った末に、これ全部でいくらユーロだ、とおっしゃる、ああなるほど、いま売れ残ってるのが7つ8つくらいなので、ここで5つ買われると残りが売り物にならないから、もうさらってほしいんだねwww。いいよ、買うよ、小っちゃいし安いからあっという間だもんこんなん。

・ガラスで築かれた荘厳な建物がある、ときいて、グランパレへやってきました。でもなんか、閉ざされてます。閉鎖です。日常的に開いてる様子がなかったです。外から中をのぞいてよだれをたらしてます。あたし以外にもそういう人が何人か来ました。
・夕方のシャンゼリゼ通りを歩いている。現代的な賑わいである。これはこれで癒される、時間があればここで半日ちゃらちゃらした気持ちで過ごしたいと思う。チャンプ・エリーゼと書いてシャンゼリゼである。
・それにしてもまあ、パリはため息が出るほどにMKMである。ちなみにMKMとは、マジできれいな娘さんばかり、の略。街を歩いていても、思わず見つめてしまう、すぐそらすけど。そして見方を変えれば、パリの女性がきれいなんではなく、西洋文明世界が女性のきれいさの基準をパリに置いて100年とか来た、そして日本もその基準に浸っている、ということなんだ。これはひとつの洗脳か、単純に、きれいだなあと見とれている場合ではないのだ。でも、きれいだなあ、ほんとに。


・そして、凱旋門に到着。北東の角から眺める。パリに来るのはこれで3回目だけども、あたしなぜか、3回とも凱旋門をこうやって見に来てるし、しかもなぜか毎回この角から眺めてるんだ。なぜかってこたない、単に、地下鉄駅降りて出口から出たらすぐここに出る、てだけの解だけど。でも、こうやって眺めてると、素直に安心する。ほっとする。ただいまーっ、て声をかけている。あのでっかいレゴブロックに。
・晩ご飯は、こないだ気に入った韓国弁当やさんへ。アラレちゃんみたいなバイトの娘さんがなぜこんなにテンション高いの?というような愛想良さだった。しかし困ったなあ、お気にの韓国料理屋がパリにできてしまったではないか。日本にこそあってくれよこういうお店。
・この夜、宿所で晩酌した末に、「ハーバードが懐かしい」というtweetを残している。その真意はよくわからない。